明浄学院高等学校吹奏楽部 Queenstar

Drum Corps Fun vol.3(2008年3月25日発行)に掲載

Queenstarの愛称で親しまれている吹奏楽部は、“You’ll never walk alone”を合言葉にコンサート活動とマーチング活動の両立を目指して、150余名の部員で日々の練習に取り組んでいる。2007年は第55回全日本吹奏楽コンクールで念願の『金賞』を獲得。第35回マーチングバンド・バトントワーリング全国大会でも『金賞』、これまでに2度の年間三大全国大会に出場を果たした。彼女たちの素顔に迫るべくQueenstarの練習にお邪魔した。

明浄学院高等学校は、大正10年大阪市内に設立された女子高校です。Queenstarの愛称で親しまれている吹奏楽部は1965年に誕生し、今では150余名の仲間とコンサート活動とマーチング活動の両立を目指し毎日練習に励んでいます。今年度で5度目の全日本吹奏楽コンクール出場、9度目の全日本マーチングコンテスト出場、8度目の日本マーチングバンド・バトントワーリング全国大会出場となりました。また、ふれあいコンサートなどの地元の行事から、「ブラスエキスポ」「3000人の吹奏楽」、宝塚で行われる「アマチュア・トップ・コンサート」などの数多くの催しにも積極的に参加し多くの方々と共に音楽を楽しんでいます。

日ごろの練習や今年のショーについて、部長の外山舞さんとドラムメジャーの浅田真由美さんに話を伺いました。
「今年のショーは“ウィリアムテル序曲”、ショータイトルが“Queen Darby”ということでとても楽しくショーをすることができました。今年はとても悲しい出来事があり、また、練習が厳しくて投げ出したくなることもありましたが、『Goal Together! Go Queenstar』と掛け声を決めて練習に取り組み、全員でゴールに向かうことができました。

コンクール前は、コンクールメンバーは吹奏楽コンクールの練習に入ります。人数制限があるため全員のメンバーでという事ができないので、その時は他のメンバーは裏方役に回り出場するメンバーを支えます。中にはコンクールメンバーのいないフォーメーションでだらけてしまう部員もいますが・・・。その時こそ、コンクールと掛け持ちをしているメンバーの事を考え、自分たちのモチベーションを上げていくようにしました。しんどい時こそ声を掛け合い、あまりまとまりがない時は“You’ll Never Walk alone”を全員で歌いました。『一生懸命練習すれば必ず観客の方に思いが伝わるだろう。』『私たちが楽しんでいる姿を見ればきっと見ている観客の方も楽しくなるだろう。』『きっとショーは成功する、結果は後からついてくるものだ。』と考えひとつのゴールを目指して一致団結し、メンバーの事を常に気遣いみんなのテンションが落ちる前に声を掛けるようにしました。『笑顔・信頼・忍耐』を意識し日々取り組み、いつも先頭に立つようにしました。人数が多いという事で、アイディアや意見がたくさん出てくる事や一人一人が2頑張るよりも10頑張るというように、一人が今よりももっと頑張ることで人数が多い分すばらしいパワーとなって返ってくるのが、楽しかったです。しかし、人数がたくさんいるメンバーをひとつにする為にどんな声かけをすれば全員に伝わるのか、言葉を選んで発言しなくてはいけない事が辛かったです。個性的な子が多いので・・・(笑)

始まる前のミーティングでは、必ずメンバー一人一人に目標を持ってもらい、前日の反省点をおさらいし、練習が終わった後のミーティングで、今日の目標に達成できたか、また新たにできた反省点を考え、日々メンバーとのコミュニケーションをとってきました。ショーに対する思いも強く、ドラムメジャーがいつも笑顔で、音のリーダー、動きのリーダー、各楽器のリーダーが声を出し合いました。時にはスタッフの先生に怒られながらもほめられたときはすごく嬉しくて・・・。全国大会が近くなるにつれて、スタッフの先生方が来てくださる日が多くなり、一層気合が入りました。メンバーの声も大きくなり、気持ちも一つになり、このダービーのショーを心から楽しみ、最後のランスルーではスタッフの先生方に気持ちを伝え本番を迎えました。

感謝の気持ちでいっぱいです。私たちがいつも楽しくこのショーが出来たのは、スタッフの先生方だけでなく、保護者の方々やOGの方々がフラッグ、ブーツの補正、花輪、ゴールテープ、ダービーのゲート、馬170頭を縫ったり、作ったりして下さいました。また、関東でしか販売されていない馬を購入するためにOGの方が手配し、購入して下さったのです。朝早くから夜遅くまで家で待っていてくれる家族、いつも練習を見守ってくれて、悩んだ時には相談にのってくださる顧問の先生方、『頑張っているのは私たちだけではない!』だから恩返しの気持ちを込めて頑張りました。また、全国大会で、Queenstarにこんなに観客の方の声援があるなんて思いませんでした。とても嬉しかったです。これも、私たちの音楽に対する気持ちが伝わったのだと思いました。今後も頑張っていきますのでQueenstarの応援お願い致します。」と話をしてくださいました。

笑顔は高校生だが、Queenstarについて語っている彼女たちの言葉は、高校生とは感じさせないほど力強さがありました。今後も彼女たちの活躍に期待したいと思います。

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