市川市立富美浜小学校マーチングバンド部

Drum Corps Fun vol.5(2010年4月30日発行)に掲載

始まりのきっかけや現在までの変遷・過程を教えてください。
昭和53年に市川市立富美浜小学校が創立され、「特色のある小学校にしよう」ということで、当時の校長先生・教頭先生が中心となって創部されたのがきっかけと聞いています。平成20年には30周年を迎えました。指導にあたられた先生方が他の学校へ異動されてからは、外部講師の先生を迎え、PTAの援助をいただきながら主に保護者が運営しています。
平成13年には、吹奏楽連盟主催 小学校バンドフェスティバル全国大会に出場しました。

今年一年はどのような活動をしましたか?
今年度は、平日は(木)以外の放課後(夏休みは終日)と土曜日の終日に練習していました。
部員のほとんどが、マーチング講習会を受講、検定を受けて1~4級を取得しています。
ドリルでは金管楽器担当のメンバーが、全員カラーガードに持ち替えて演技をするのも特長の一つです。
また、今年度も市川市より「学習賞」をいただきました。

バンド活動ではどんなことを大事にしていますか?
「感謝の気持ちを伝える」ことですね。お忙しい中、時間をやり繰りして指導してくださる講師の先生方はもちろん、影で支えてくださっている学校・地域のみなさん、卒業生やその保護者の方々、練習や大会に参加できるようにサポートしてくれる家族・・・いつもたくさんの人に支えられて活動しているということを忘れずに、それを伝えること。
また、「学校や地域に愛されるバンドであろう」ということ。大会に出場するだけでなく、学校や地域の行事には盛り上げ役として積極的に参加するようにしています。

活動する上での問題点や苦労する点は何かありますか?
例年、部員数が25名前後と少人数のため、大会に出場すると、40人、50人のバンドに比べて迫力に欠けるところがあります。保護者が中心となって運営をしているため負担が大きく、なかなか部員数が増えないことが一番の悩みです。
しかしながら、学校教育の中では、同じ学年、同じクラスの子供達との関係は深まりますが、上級生が下級生の指導をしたり、上級生の言うことを下級生が聞くような機会があまりありませんので、クラス・学年を越えた「クラブ活動」としての経験が出来ることは大変大きいと思っています。
また、マーチングの基本である、「テンハットがかかったら絶対に動かない」「繰り返し何度も同じ練習をして、みんなで完成させていく」ということは、最近の子供達に不足していると言われている、我慢や協調性を学ぶための、とても良い機会だと思っています。
先日開催したスプリングコンサートでは、この演奏会で卒業となる六年生が、最後にはみんなで抱き合って泣いていました。そういった姿は、マーチングの厳しさ、連帯感、達成感があってこそのもので、通常の学校教育や家庭での生活だけでは経験できない、大切なものを学んだのだと思います。
そういった意味でも、教育現場におけるマーチングの役割はとても大きいものだと思っています。

今後の目標を教えてください。
課題を挙げればキリがありませんが、とにかく部を存続させていくこと。
創部30年以上の歴史は私たちの誇りでもあります。運営の面で厳しい点は多々ありますが、市川市では唯一の小学生マーチングバンドとして、これからも活躍してほしいと思います。

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