東京フェニックス

Drum Corps Fun vol.2(2007年4月11日発行)に掲載

1985年、東京実業高校Phoenix Regimentの卒業生らによって創立致しました。創立当初は10数名の小さな団体で、楽器はもちろん個人購入。卒業しても「音楽を楽しみながら続けて行こう」と週1回集まり演奏をしておりました。

人数が20名を超え始めた頃からはドリル演奏を再開する事になり、母校の定期演奏会で発表させて貰える事になります。しかしながら都内と言う事情から、騒音問題により練習場もなかなか見つからない為、海に近い工業地帯の暗い所で練習をしておりました。見つけた空き地の腰まである雑草を練習の度に草むしりをして30m×30mまで広げた事もありました。もちろんインストラクター等を呼ぶ程の財源もありませんでしたし、その頃はただ楽しむ事に目的をおいていたので必要もありませんでした。

新しいメンバーが増えると目的も少しずつ変わり始め、編曲・ドリルコンテ・振付をメンバー達でまかない大会に出る事になります。人前で演奏し拍手を頂ける。その喜びと成果が次の目標を引き上げ、関東大会に進出する事を目指す様になりました。当時、激戦区の東京都大会を抜け関東大会に進む事が出来たのは創立7年目の事です。

関東大会にやっとの思いで進める様になると更に目標は上がり、次は全国大会、日本武道館の地に出場する事を夢見ます。しかし、全国への道は容易ではなく険しいものでありました。高校時代に味わった武道館での声援。入場した瞬間の黄色く見える場内。360度から見下ろされる感覚は一度出たら絶対に忘れる事の出来ないものです。一流アーティストになるか巨額のお金を払わなければ、「出演者」として立つ事が出来ない聖地に「この団体で出たい」と強く思う様になったのです。この頃、関東での敗退が続き試行錯誤を繰り返す事となりました。それでも諦めず、全員の努力によりメンバー数も増え続け、目標も明確になり更なる進化をする為に、1997年度に大きな改革をします。今までの楽器を総入れ替えをしてビューグル編成のドラムコーとして新たな出発をしたのです。その年、今までの努力が報われる日がついに訪れ、念願の全国大会出場を果たす事が出来たのです。関東地区の激戦ぶりは皆さんもご存知かと思いますが、我々は関東大会初出場から5年の歳月、創立からは12年もの歳月が掛かったのです。

しかし本当の戦いはこれからです。諸先輩方の多くの努力によってここまでこれた団体をいかに安定して継続・繁栄させられるか?そして更なる飛躍、上位入賞し続けるかが大変な事なのです。

22年を超えた今日では関東一円からの入団があり、北海道や東北、関西、九州、沖縄と全国各地からのメンバーも多くなり総勢100名を超える一般社会人バンドへと成長する事ができました。私達は、ショーを見てくださる方々に「音楽」と「ドラムコー」の楽しさや素晴らしさを伝え、感動し、楽しんで頂く事を1つの目標としております。そしてテクニックだけに捕らわれず集団行動での協調性、大人としての責任感や自主性を鍛えながら大会での上位入賞を目指しております。これらを通じて「自分達がどれだけ楽しめるか」と言う創立当初からある伝統も大切に考え、日々努力しております。
今年度は更なる改革の年となります。大会時期が早まる事などもあり、練習形態も変わる事が予想され、スタッフも一新致しました。そして2008年3月には、いよいよ単独ライブを開始します。皆さんの期待に応えられるものを大会でのドリルショーとは別にお送りします。更には、当団体のOB/OG会も発足致します。当団体への協力は勿論の事、大会などの役員手伝いを行い、マーチング界の発展に協力出来ればと考えております。これからの東京フェニックスにご期待下さい!皆様からの応援に応えられる様、更に頑張ってまいりますのでこれからも宜しくお願い致します。

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