The Blue Devils

Drum Corps Fun vol.2(2007年4月11日発行)に掲載

~DCI史上最多優勝を誇るブルーデビルス~
~最強のブラスラインを誇るブルーデビルス~

ブルーデビルスは1957年に設立されたドラムアンドビューグルコーで、設立当時はドラムラインにグロッケンを加えた「Drum & ”Bell” Corps」(ドラムアンド“ベル”・コー)でした。その後1961年にはカラーガードが加えられ、60年代後半には完全なるドラムアンドビューグルコーへ移行。1970年に10名の金管奏者からブラスラインを結成、その後71年には70名以上のメンバーになりました。73年には初のツアーをおこなうまでになり、74年にはDCIに初出場し9位、76年には初のDCIチャンピオンになり現在までに史上最多となる11回のDCIチャンピオンに輝く名門ドラムコーへと成長しました。1989年秋に、カリフォルニア州コンコードにある現在のビルに組織が移動、そこではブルーデビルスミュージックスクールとして4歳から音楽教育を学ぶことが出来る施設を運営し始めました。ここでの音楽教育プログラムとしてはピアノ、打楽器、および基本的な音楽理論があり、現在150人以上の学生が在籍しています。 また1996年にはDiablo Wind Symphony(14歳から18歳までの60~80名で構成されている吹奏楽団)が加わりました。このようにただ単にドラムコーだけではなく、いろいろな分野で活動しているのがブルーデビルスなのです。

またブルーデビルスはWGIカラーガード部門でも1995年から1998年まで4連覇を果たし、1996年にマークした99.55というスコアはいまだに破られていません。また過去17回のハイブラス(管楽器1位)を誇るブルーデビルスのブラスラインは毎年ハイレベルな技術、ソリストのハイノートで観客を魅了していて、パーカッションセクションも「トップ3ドラムライン」と言われているバッテリーパーカッションは有名で、あの石川直さんも1997年にマーチしていました。

ブルーデビルスはチャンピオンシップ出場の他に、スタン・ケントン、バディ・リッチ、メイナード・ファーガソン、チャック・マンジョーネといったミュージシャンと共演したり、また数々の演奏旅行もおこなっています。最近では2005年にヨーロッパツアーをおこなうなどの活動をしており、日本にも1983年の御堂筋パレードをはじめマーチング・イン・オカヤマなどのイベントのため来日。最近では日本からもブルーデビルスに参加する人が多くなってきて、さらにブルー人気が上がってきています。

ブルーデビルスはスタッフ陣も充実していて、コーディレクターにはデイヴ・ギブス、ブラスセクションではウェイン・ダウニー(ブラスアレンジャー)ジョン・ミーハン(ブラスキャプションヘッド)という強力なスタッフを擁し、パーカッションセクションではデイヴ・グライド(ミュージックコーディネーター)、日本でもおなじみのスコット・ジョンソン(パーカッションキャプションヘッド)、ショーン・ベガ(パーカッションインストラクター)を擁しています。カラーガードセクションにおいては天才とよばれているスコット・チャンドラー(プログラムコーディネーター)やカール・ロー(ヴィジュアルコンサルタント、デザイナー)、ヴィジュアルではタッド・ライアン(ヴィジュアルキャプションヘッド)ジェイ・マーフィー(ヴィジュアルデザイナー)といった世界でも屈指のスタッフ陣が揃っているのがブルーデビルスの特徴です。

レパートリーはジャズ、ラテンの曲をアレンジしたものが多く演奏されてきましたが近年ではそうした枠にとらわれず、いろいろなジャンルの曲が演奏されています。1997年には映画「カサブランカ」1998年にはチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」「ウエストサイドストーリー」、また2001年にはジョージ・ガーシュウインの曲が使われました。どんな曲でもブルーデビルス風にアレンジしてしまうところはさすがだと思います、素晴らしいブラスラインがあるからこそでしょう。

2006年のプログラムは「God Father Part Blue」、映画「ゴッドファーザー」からの選曲となりました。久しぶりに映画のアレンジということで注目されましたが、やはりかっこいい!バッテリーラインの息の合ったアンサンブルからファーストプッシュへの盛り上がり方などは鳥肌ものです。まだ見ていない方はぜひご覧下さい、もちろんブルーファンの方は必見です。またここに使われている写真は2006年の練習風景ですが、ここからも熱気が伝わってきます。練習は本番のようにとはよく言いますが、まさにそれを実践しているのがブルーデビルスなのです。

ブルーデビルスの衣装はここ10数年の中で変化を続けてきました。1988年にそれまでの青を基調としたものからグレーを基調にしたものに、翌年の89年には黒を基調にしたものにチェンジしました。90年にはこれまでの青を基調にしたものに戻り、94年に現在の原型にモデルチェンジしました。2004年、2005年はデザインが若干変わりましたが、2006年にはまた2003年までのものに変わり(若干の変化はありますが)ました。団体によってその年のテーマによって衣装を変える団体がありますが、ブルーデビルスもここ3年間は毎年衣装を少しずつ変化させてきました。2007年以降の衣装にも注目でしょう。

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