八女学院中学・高等学校

Drum Corps Fun vol.2(2007年4月11日発行)に掲載

八女学院中学・高等学校は、福岡県の南部に位置する八女市の中にあり、私立では唯一の中高一貫校。高校部730 名、中学部270名の約1000名の学校で、立地は市内中心部に位置する。都会の中にあるというよりも田園地域と山、川に囲まれたのどかな環境にある八女学院中・高等学校を取材した。

部員は中学生40名、高校生60 名(高3を含む)と、十人に一人が吹奏楽部員という人気のある部活動で、日頃の活動は中高合同で行っており参加するコンクール・大会等はすべて高校の部に中学生も入る。九州でこの形をとっている学校は少なく、たいていの一貫校は中高独自に活動しているようである。

今年で創部14年目を迎え、定期演奏会も2007 年5月で14回目を迎える。顧問は高山先生(英語科)・矢加部先生(音楽科)・牛島先生(数学科)の3人。外部コーチとして、地元を中心に各方面で活躍される演奏家の方や、卒業生も顔を出している。 年間の大きな柱としては、5月の定期演奏会と、11月にある全国マーチング協会大会の九州予選への出場である。

定期演奏会は昨年から2日間公演とし、5月の第二日曜(母の日)とその前日の土曜(この2年は)に開催された。ここ数年2日目には、地元九州出身であり全国で活躍されるプレイヤーをゲストに迎え、ソロ演奏や生徒の中に入って演奏してもらうのが定着してきているようである。演奏会は3部構成で、1部はクラシックステージ、2部はマーチングのステージドリルとカラーガードショー、3部はポップス。盛りだくさんのコンサートで、関係者はもちろん地元住民の方々からもたくさんの支持を受けている。2日公演になった理由も、約 900人も入るホールが毎年満員で、通路や立ち見での鑑賞も出るほどの大盛況ぶりであるからだとか。昨年度はNHK交響楽団のトランペット奏者である佛坂咲千生先生を迎えた(2回目)。

5月の定演終了後からマーチングの本格的な練習が始まる。大会が近づくと、平日でも朝練( 課外授業前)、昼練(昼食後すぐ)、夕練と時間を惜しんで打ち込み、直前には強化合宿を組んで朝から晩までの猛特訓。本当に好きなことだからそこまで熱中できるのであろう。近年の大会実績は、高文連マーチングバンド部門全国大会では福岡、神奈川、京都の 3回の出場を誇る。九州でも激戦区といわれる福岡県(世界に目を向けている精華女子がある)大会を勝ち抜くのはなかなか難しく、全国マーチング協会大会の九州予選は残念ながら3校の枠には選ばれたことはないため、この大会での全国出場権獲得が生徒も顧問の先生も毎年の第一目標であるという。

その他の活動としては、学校内の行事(新入生登校日・入学式の歓迎演奏・体育祭の行進・文化祭でのミニコンサート・体験入学や記念式典・卒業式等)はもちろん、市の関係のあらゆる行事(祭りでのパレードや開会行事での記念演奏・成人式での演奏等)や少年野球の大会のオープニングセレモニー等、莫大な数の依頼演奏をこなしており、これが地元住民からの根強い支援につながっているものと思われる。

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