Phantom Regiment

Drum Corps Fun vol.3(2008年3月25日発行)に掲載

History of the Phantom Regiment

1956年 イリノイ州にあるRockfordで誕生。
ドラムとラッパによって復刻軍人の日や独立記念日を祝うためのバンドが盛んだったこのころに、より競技的なものを完成させたいとVFW342のメンバーによって作られ、男性だけのバンドにRengerettes と呼ばれる女性だけのガードチームと合体し当時はRockford Rangersという名前で活動していました。しかしRanders(=放浪者)という名前がふさわしくないとは誰もが感じていて、当時の団長が見つけたのが「Phantom Regiment」。どこに、どんな形で現れても幻のように印象的な存在、特別でありたいという願いからなのだと。確かに、今もそれは受け継がれていて、ユニフォームを着た瞬間から、自分は幻の存在(スーパーマン)みたいな無敵さを感じます。ユニフォームを着ている時の注意点がたくさんあるのも、このPhantom Regimentっていう存在を守るためのものでしょう。1962-1964年の間にビューグルが加わったり、初めてフィールドでのShowが完成したりと、Corpsが誕生して以来の成功を収めましたが1965年に、経済的な運営で破たんしてしまい、そのシーズンを向かえることができなかった。1967年に新しいDirectorを向かえ、活動方針が決定されました。

“To organize, maintain, and operate a musical marching unit, band, color guard, and related activities, and in general, promote and encourage drum and bugle corps activities, parades, concerts, contests, and to further the musical talents and interests of young persons.”
音楽活動を通して一般的に通用するような昇進する気持ち、勇気を持つことを学び、音楽的才能や好奇心を育てようと。

その後は黒いパンツに赤いウインドブレーカーといった簡単なユニフォームにメンバーは28人。パレードやコンサートに参加。今では豪華なエクイップメントトラックも当時はバンだった。何しろお金が無かったそうで…。そして迎えた1970年にはキャデッツスタイルユニフォームになり、89人の大きなバンドに成長しました。そして初めてDCIのFinalistになったのが1974年。このころには120人を越える大きなCorpsとなりました。その翌年、1975年にやっと今の原型となる白地に黒のたすきのユニフォームが誕生しました。1980年代、有名なのが81、82年と取り組んだSpartacusを題材にしたShow。当時には斬新なフォーメーションにストーリーラインのある演出、力強いHighbrassに 深いLowbrassのサウンド。ユニフォームについていたケープは前後で色が異なりターンをするたびに歓声が沸きました。これぞPhantom スタイル!!といったものが完成されたような時代が80年代だと思います。

そして1990年代、よりクオリティが上がり30年前に望んでいた競技的なチームとしてはTopを争うチームへと成長を遂げました。そして1996年にはじめてのDCIチャンピオン。1996年のShowをCDで聴いてみると、映像あってのDrumCorpsShowだとは思うのですが、音が伝えるものが凄いのです。ただただ鳥肌が立ちます。2000年代からは1990年代に活躍していたメンバーがスタッフとしてチームを更に成長させ新しい試みに溢れています。たとえば2003年よりBrassのArrngerとなったJDShowはPhantomのクラシック音楽を色彩豊かなものにしました。それから女性のガードだけだったのが2005年にストーリーを作るために一人の男性ダンサーが加わり、2006年には6人、2007には10人と、Showのストーリーがより伝わりやすくなり、綺麗な印象のガードに力強さも加わりました。
2006年に50周年を向かえ、まだまだこれからも成長し続けるこのCorpsには終わりはありません。

About 2007 season
ON AIR というShow タイトルで、空や鳥のモチーフを取り入れた華やかなShowとなった2007seasonのスタートはなかなかよいものではありませんでした。2006にシルバーメダルをGETした私たちはもちろん最初からその上を目指していました。しかし、他のコーが90点以上を獲得する中でPhantomはなかなか90点を破ることができず、ミッドシーズンではとうとう6位にまで順位を下げてしまいました。このときにアレンジャーが言った言葉は忘れません。「いくら順位が下がったからって、Phantomとしての誇りを失うのか? 毎晩特別なShowをしなさい。 一人でも多くの人に何かを残しなさい。」と。その言葉を信じて、それからまた厳しい練習や,より効果的にするためのmusicや Drillの変更を重ねてできたのがファイナルでのShowになったのだと思います。

2008 season start!!
Phantomはスパルタクスに挑戦します。これは81、82年にもPhantomは演奏しており、とても力強い作品です。ブラスがユニゾンでPUSHしたりと80年代の雰囲気を残しつつも、ドラムのまったく新しいサウンドが加わったスパルタクスをどうぞお楽しみに!!

関連記事一覧