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2008 WGI World Championship

WGI 【Percussion部門】focus –Spring 2008より

「子育て」をしている親たちも「うちの子がこんなに大きくなったなんて!」と実感する瞬間がある。WGIのパーカッション部門2008年シーズンではある種、それに近い経験をしたのではないだろうか。長年のファンは初期のインドア・パーカッションを覚えているだろう。1993年、WGIのカラーガード部門が16年目を迎えた年、パーカッション部門を設立することが決まった。パーカッション部門初のイベントのアナウンサーを務めたMichel Boo氏はこう言った。「ここまでの発展を目にすることはとても興奮したね。たったの数団体から今では200団体近くまでに成長したことはとても信じられないのだから」

講堂のステージで4つの州の9団体によって始まったパーカッション部門は、その時最初の1歩を踏み出した。続いて、高校の体育館と発展し、Nutter Centerを経て、今年の4月17-19日のチャンピオンシップで成熟の時を迎えたのである。
このイベント自体がNutter Centerの収容人数を超えてしまったため、Dayton大学のアリーナで行うことが決められた。Dayton大学のアリーナはパーカッション部門の知らぬ場所・・・という訳ではなく、たくさんのAクラス・ワールドクラスの予選などが、ここ数年間、開催されていた場所である。Nutter Centerも木・金曜日に行われた、予選とセミファイナルの会場として使用したが、今年初めて、ファイナルの会場となったDayton大学のアリーナを公式に”Home”と呼んだのである。

心配されたアリーナのひどい段差だが、全ての楽器やプロップは建物の中や外で一つに組み立てられた為、問題にはならなかった。

“イベントは成功したかどうか?”もし、観客の人数と参加団体の数をものさしとするなら、間違いなく答えは”YES”!175団体以上が今年の大会にエントリーし、土曜日の夜に行われたワールドクラスのファイナルのチケットは追加で用意された席の分まで、ほとんど売り切れに近かった。ワールドクラスのファイナリストはカラーガード部門と同じく、15団体が選出されたが、Percussion Scholastic World(PSW)クラスでは、2団体が同点15位だった為、16団体が選出された。

この記念すべき夜にスタンドを埋め尽くした何千人ものファンは目撃者となった。Rhythm X Columbusが予選で第1位だったRiverside Community Collageを打ち破って、初めてのPercussion International World(PIW)クラスのチャンピオンとなったのである。ファンたちのお気に入りで、とても国際的な演目で日本から参加したAimachiは僅差でMusic City Mystique of Nashvilleを制して、2006年から続いての第3位、North Coast Academyが第5位、Blue Nightsが第6位となった。

PSWクラスでは、Dartmouth High Schoolが2007年のチャンピオンであるMission Viejo High Schoolを打ち負かして、1999年以来、初めての第1位を獲得。Claremont High Schoolは今年初めてファイナリストとなり、まぶしいばかりのファイナル・デビューを飾り予選の第5位から順位を上げた第3位。ChoctawhatcheeとCentervilleはトップ5の評価を得て、それぞれ、第4位と第5位に入った。Claremont HSについて言えば、「好成績」と呼ぶだけでは控え目過ぎるだろう。Claremont HSはPSWクラスでのメダル獲得だけでなく、Percussion Scholastic Concert World(PSCW)クラスで第1位のタイトルも獲得しているのだ。Goshen High Schoolは2007年の第3位から記録を伸ばして第2位、Tunstall High Schoolが第3位となった。

Percussion Independent Open(PIO)クラスでは、Tyler Jr. Collageが厳しい戦いを制して、Penn. Stateに勝利。Strykeは今までのWGIファイナルの中で、最も良い終わり方である第3位。

Pacifica High Schoolは三つ巴のPercussion Scholastic Open(PSO)クラスの勝利を勝ち取った。セミファイナルでの上位3団体のスコアは0.4ポイント差の中にひしめき合っていた。PSOクラスの順位を決定づけたのは、またしても0.4ポイントの差で、Trumbull High Schoolは第2位、Fountain Valley High Schoolは第3位で戦いを終えた。

Percussion Scholastic Concert Open(PSCO)クラスでは、Mansfield High Schoolがほぼ完璧な演奏を披露し、2年連続の栄冠と共に、98.9点の最高得点を記録した。第2位にはBear Creek High School、第3位にはファイナル初出場のMuscle Shoals High Schoolが輝いた。

Pioneer Indoorは2度目となるPercussion Independent A(PIA) クラス第1位のタイトルに輝き、全力でカリフォルニアのベスト・ラインへと駆け上ったと言える。Farmington Unitedは第3位に終わった。PIAクラス全体が発展の証明だった。PIAクラスが始まった頃、参加団体が10団体に達するまでに数年を要したが、今年、参加した 15団体はPIAクラス全体の明るい未来のシグナルと言えるだろう。

Percussion Scholastic A(PSA)クラスは毎年、どのクラスよりも参加者が多く、木曜日に予選とセミファイナルが行われる為、唯一、参加者が1日に2回の演技をしなければならないクラスである。金曜日に行われたファイナルが終わった時、チャンピオンの名を手にしたのは、South Hills High Schoolだった。ディフェンディング・チャンピオンのGreenfield Central High Schoolは第2位、Milton High Schoolが第3位となった。

今年見られた傾向はなんだっただろうか?最もビジュアル的に際立った傾向は、色分けされた何本ものラインだ。いくつかの団体では、ユニフォームの前面に1つの色を、もう1色を背面に配置していた。一番よく考えられていたのは、Rhythm Xだろう。紅葉した秋の落ち葉のカモフラージュ・パターンを背景に用い、衣裳の背面とバス・ドラムのヘッド部分が同化するようになっていた。衣裳の前面とバス・ドラム以外の楽器のヘッド部分は暗い青を使っていた。もう一つの注目すべき点は、赤が怒り、青が冷静を表現していた点である。

他に見られた傾向は、熟練された電子楽器の使用やショー・コンセプトに沿ったボーカルの使用、ギターやベース、あるいはハンマー・ダルシマーなどの弦楽器の使用など。そして、全クラス通して、トレーニングがよくされており、ここ何年にも増して、ラインの流れがスムーズだった。PSCW・PSCOクラスではバラエティーに富んだ民族音楽、特にラテン音楽の広がりを感じさせた。コンサートクラスでも、ドリルを行っているクラスのように、電子楽器の使用が彼らのプログラムの幅を広げることになっていくであろう。

会場には週末を通して、たくさんの人が訪れたことだろう。皆がパーカッションの魅力に引き込まれたようで、最新の楽器、スティック、パッドやマレットを試したり、お土産やDVDを買ったりした。土曜日に時折降った雨でさえ、熱気を削ぐことはなかった。

今年の驚くべきイベントの成功は2009年のWGIパーカッション部門をさらに大きくさせるだろう。進行中の計画の中には、大会の客席の数を増やす計画もある。また、予想される参加団体の数は200団体に迫る勢いだと言っても過言ではないだろう。

WGI 【ColorGuard部門】focus–Spring 2008より

母の瞳からは涙がどっとあふれ、その手はそっと、隣の列にいる友人の肩に置かれた。フロアからは喜びに溢れ、きらきらと輝くメンバー達の表情が光の束のように客席を照らし、娘の瞳は母親の瞳を捉えた。曲は娘が読む母(異母)への手紙 ―その手紙が伝えるのは、旅路(探求)、忍耐、そして乳がんとの闘病中に見せた母の強さ― それは、満員の観客たちが味わった、もう一つの感動的な瞬間であった。「私はみんな、大好きよ」
自称”新入り”だという母親は微笑みながら言ったのは、ファイナルの演技が終盤を迎え、娘の団体が姿を見せた時だった。「でも、娘たちの演技がどういう評価をされるかは分からないわ。どの団体も同じショーはないからね」と心配もしていたが、母親の心配をよそに銀メダルを獲得したのだった。

会場となったUDには有名な”UDトンネル”という名のステージフロアに続く通路があり、そのトンネルの壁に口づけをすることは、本番のフロアへ最後の歩みを進める出演者への幸運を意味する伝統。幸運のトンネルを抜けて本番のフロアへ、大好きな観客と審査員たちの前に、出演者とスタッフたちは姿を現すのだ。
近年の大会のために、フロアは広げられ、
”You may take the floor in competition”というアナウンスをきっかけに各出場団体の演技がフロアいっぱいに繰り広げられる。

今年の大会はすべての部門、すべてのステージにおいて、演出・演技は驚くほど才能のあるメンバーが披露した。そう、ワールドクラスは頂点を極めたが、客席の観客たちがAクラス・ワールドクラスに関わらず、お気に入りの団体に熱狂的だったのは言うまでもない。
ワールドクラスの結果もまた、歴史的であった。インディペンデント・ワールド(IW)クラスのチャンピオンとなったFantasiaのスコアは、WGIの記録の中でも最も高い部類に入るものだった。Fantasiaの演技は、誰にでも親しみやすく、心の奥底に訴えかけるようだった。”The White Table:A Reflection on Youth”と題されたショーは六度目のチャンピオンの栄光をもたらした。
同時に、Flanagan High Schoolはスコラスティック・ワールド(SW)クラスで初の栄冠を手にした。Flanagan HSの今までの最高順位は4位だったため、10年目にして初の栄誉となった。

IWでこれまで3度の優勝経験のあるPride of Cincinnatiは第2位、今回、初のワールドクラス・メダリストとなったNortheast Independentは第3位に食い込み、それぞれ圧倒的な演技でメダルを獲得した。

SWでは、Avon High Schoolが3年連続の第2位、3度の優勝経験のあるCenter Groove High Schoolは第3位という結果だった。

オープンクラスではNorthmont High Schoolがシーズンを通して、Scholastic Open(SO)クラスで存在感を示し、堂々の第1位となった。第2位にFreedom High School、West Orange High Schoolが第3位と続いている。International Open(IO)クラスでは、Alter Egoが第1位、第2位にDiamante、第3位にAcademyという結果となった。

Aクラスの結果には目を見張るものがあるが、今年ほどではなかっただろう。Cascade IndependentがIndependent A(IA)クラスで第1位を獲得、Interplayが第2位、Capella WinterguardとFahrenheitが同点で第3位タイとなった。Colonial High SchoolはScholastic A(SA)クラスで第1位、続いてMt. Carmel High Schoolが第2位、Pope High Schoolが第3位となった。

チャンピオンシップの前週、デイトン地区のファンたちは「デイトン大学エリアがどれくらいテントでいっぱいになるか!」という投票をオンラインで行った。もし、デイトン大学の敷地内に隙間なく並んだとしたら、行列は4回敷地を横切り、曲がりくねったブースや屋台はさながら、フォロー・ザ・リーダーのドリルのようだった。ブースはとても賑わいを見せ、WGI制作の31年分の予選のDVDから、ファイナル仕様のアパレルまで、バラエティーに富んだ企業・団体が集まった。

便利になったもので、今ではWGIチャンネルで大会の様子がオンタイムで見ることができ、WGIのウェブサイトで地区予選を繰り返し見ることもできる。

4月10日に大会が始められる前、Dayton Daily Newsはこの地域におけるWGIというイベントの重要性を報じた。記事によれば、WGIが開催される週末にはおよそ4万人の観客がDaytonを訪れ、もたらされる経済効果は1500万ドルに及ぶという。それは、今までWGIが開催された31年のうち、第22回大会を除く、すべての大会がDaytonで開催されていることと、2014年までの大会がDaytonで開催されることが決定していることによるものである。あるオンラインコミュニティはこう綴っている。
「Daytonでカラーガードのお祭りが開催される時、それはざわめきと賑わいに満ちている。それはDaytonがきれいな海と天候に恵まれているからではない。数々の思い出が作られ、20年前に同じ経験をした”誰か”とそれを共有することが出来るからである。同じ街、同じ開催地、同じ地区・・・それらはとても”SPECIAL”なことだ。WGIはDayton以外のどの場所でも開催するべきではない」

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