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「BLUE MAN GROUP」音楽という原点から解き放たれたエンターテインメントの世界に迫る

Drum Corps Fun vol.3(2008年3月25日発行)に掲載

ハイ・センス×ハイ・ナンセンス
世界を凌駕する超絶のエンターテインメント!
そのパフォーマンスに言葉はない。だから引きつけられる。だから面白い!

BLUE MAN GROUPは音楽、コメディ、テクノロジーなど様々な要素を取り入れた全く新しいエンターテインメントとして世界中にその名を知られている。もともとは1980年代後半に、最初の3人組となるマット・ゴールドマン、フィル・スタントン、クリス・ウィンクが集まりニューヨークで“ブルーマングループ”としてパフォーマンスを始めたのがきっかけ。1991年、最初の劇場公演地であるニューヨークのアスタープレイスシアターでの成功を皮切りに、現在ではボストン、シカゴ、ラスベガス、ベルリン、オーバーハウゼンでロングランに成功。2007年6月にはフロリダ・ユニバーサルスタジオでの公演もスタート。これらの成功は、BLUE MAN GROUPが文化、性別、世代を超え、全世界の老若男女を魅了するショーであることを証明し続けている。
そして、2007年12月1日に世界各地で大成功のブルーマンがついに日本上陸。世界で初めてBLUE MAN GROUPのために作られた専用シアター「インボイス劇場」にて、常に進化し続ける「BLUE MAN GROUP」が最新バージョンを上演。日本公演では、舞台の中でインターネット社会の無機質さを揶揄するような場面も登場し、ブルーマンの描くテクノロジー社会からコミュニケーションの本質を再認識させられたりといった場面も存在する。

「ミュージック」・「アート」・「コメディ」の融合

時代やジャンルを超え自由な感性のもとに、多様なジャンルを取り入れて作られたショーがBLUE MAN GROUP。音楽にはアフリカやラテン音楽、日本の太鼓の要素も含まれ、時にはお菓子を噛み砕く音までもが音楽となる。また、ショーの冒頭ではブルーマンが投げたカラーインクの詰まったボールを別のブルーマンが口で受け止め、キャンバスにそのインクを吹きかけて一枚のアート作品を生み出す。無口でミステリアス、そしてコミカルな彼らは想像を超えるバカバカしくも高度なパフォーマンスを展開する。このようにおかしくも芸術的なパフォーマンスが舞台上で数多く展開されるBLUE MAN GROUPは、全く新しい劇場体験を観客に提供する。

誰もが楽しめる体感型ショー

文化や人種を超越した存在のブルーマンは、特定の言語を話さない。英語がわからないから・・・なんて心配は無用。童心に戻り、心から笑っている自分に気づくことだろう。
また、このショーの中ではブルーマンが客席の間を歩きまわったり、観客を舞台上に招き入れたりと客席が舞台の一部となってパフォーマンスが繰り広げられる、劇場全体が一つになる体感型ショー。ロック好き、コメディ好き、アート好きといった既成のジャンルにとらわれず、世界中で大人から子供に至る幅広い層に受け入れられている。

廃材

ブルーマンの舞台装置はどこか工場の廃屋を起想させ、舞台上にも無数の“チューブ(管)”が剥き出しになっている。こうした無機質なイメージは今でこそ建築やコンサートの舞台装置などでも定着したスタイルであるが、BLUE MAN GROUPはその始まりから“industrial(工業的な)”な世界を追求し、芸術の分野でも高く評価されてきました。
実際、彼らはニューヨークのグッゲンハイム美術館などにも登場し、そのコラボレーションは大きな話題になった。ショーの中では、こうした“廃材達”がまるで命を与えられたように楽器として、小道具としていきいきと躍動する。

音楽

ブルーマンは“廃材”を巧みに操りユニークなサウンドと全く新しいパフォーマンスを披露している。“廃材”を使って作られたオリジナルの楽器から奏でられる音楽は斬新でもありながら刻まれるリズムは原始的でもあり、どこか太古を起想させる。古いものと新しいものとが融合されたその音楽は人々の心をとらえ、「Audio」というタイトルでリリースされたCDはグラミー賞にもノミネートされている。
さらに観客の耳を楽しませるのはブルーマンをサポートする4名のバンドメンバー。BLUE MAN GROUPの音楽は完全にライブ演奏で行われ、この4名も場面によって舞台上のオブジェのようにパフォーマンスに参加する。

脱力系+インタラクティブ

そんな言葉が生まれる前からBLUE MAN GROUPのパフォーマンスの重要なテイストはその2つのキーワードとなっている。どこか現実世界を揶揄するようなブルーマンの動きはいつの間にか人々を日常から解放する。到底劇場ではあり得ないと思うようなナンセンスな場面に引き込まれ、観客はいつの間にかBLUE MAN GROUPの世界へ・・・。
このショーには、ブルーマンと観客との直接・間接的なコミュニケーションも大いに含まれるのである。舞台が始まった時に感じる客席とブルーマンとの距離はパフォーマンスが進むに連れて縮まり、エンディングまでには劇場が完全に一つになる。
そしてそれは毎回違った感動を生み、世界で唯一の舞台になる。

PHOTO by KEN HOWARD © BMP

1992年6月8日「これを見たらブルーではいられない」
このニューヨークのローワーイーストサイド、つまり若手芸術家達のメッカで大人気のショーは、斬新なアートパフォーマンスを目の当たりにしたい人にはうってつけ。でも、白馬の王子を夢見るのであれば、決してチケットを買ってはならない。昨年の11月のオープニング以来、連日超満員のこの「BLUE MAN GROUP」は、著名なニューヨークタイムス紙の演劇評論家、フランク・リッチの言葉を借りれば、“シニカルなボードビルとハチャメチャな映画『アニマル・ハウス』を見事に融合させた、つまり「気取ってなどいられない」体験を提供”してくれるのだ。
~『ピープル ウィークリー』誌

2004年3月30日「ブルーマン、10年目の快進撃」
(ボストンで)開幕から10年を迎えようとしているブルーマングループ。
すっかりお馴染みになったオフ・ブロードウェイの前衛芸術の物言わぬ代弁者は、常に時代に共鳴するよう、ショーも定期的に新しい場面を導入している。オリジナルのニューヨークに続き開幕したボストンの他、「BLUE MAN GROUP」はシカゴ、ラスベガスでもロングラン中、あらためてその斬新さには高い評価が寄せられている。
~『ボストン・ヘラルド』誌

2000年4月30日「ブルーマン、ラスベガスに進出」
三人のストリート・パフォーマーがニューヨークの300人の小屋で始めた実験的なアートが娯楽のメッカに進出した。ラスベガスは彼らのような前衛芸術家を受け入れるかという疑問、そしてブルーマンはショーをラスベガス仕様の大衆的バージョンにしたとの批判もある。しかし連日、大盛況となっている劇場は、「BLUE MAN GROUP」というショーが大きな劇場の観客をも巻き込み、楽しませる内容であることを証明した。
~『ニューヨークタイムス』誌

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