鎌倉女子大中・高等部 マーチングバンド

Drum Corps Fun vol.1(2006年4月27日発行)に掲載

鎌倉女子大学中高等部マーチングバンドは、創部45年以上を誇る伝統校であり、過去には全国大会で15年連続金賞を受賞している名門中の名門である。今回その歴史と伝統ある鎌倉女子大中高等部マーチングバンドの練習におじゃまして、練習を見せていただいた。

鎌倉女子大中高等部マーチングバンドは昭和34年、リコーダーと太鼓の編成による鼓笛隊で活動が始まった。2年後にはバトンが加わり鼓笛隊の先導を務めるようになった。昭和42年にはリコーダーからトランペットに持ち替え、日本初の女子のみのトランペット鼓隊が誕生した。以来、万博や世界青少年音楽祭、NHK紅白歌合戦など数多くのイベントに参加し、好評を博した。

マーチングバンド全国大会においては1985年より1999年まで15年連続金賞という偉業を成し遂げた。2001年にはこれまでの「トランペット鼓隊」から「マーチングバンド」へ名称を変更し、現在に至る。昨年の12月におこなわれた第33回マーチングバンド全国大会では6年連続の金賞に輝いた。またマーチングバンドを卒業後もマーチングを続ける人も多く、関東の一般団体にも数多くの卒業生が入団している。

この日は定期演奏会の練習をおこなっており、最初は各セクションごとの練習となった。カラーガードセクションはフラッグによる振り付けの確認や、ポンポンによるダンスの練習などがおこなわれていた。練習のときから本番のような緊張感が漂う中での練習だった。全員が本番同様のすばらしい笑顔で演技する姿はさすが名門バンドといった感じであった。

次にパーカッションセクションの練習を見せていただいた。中学生から高校生まで幅広い年代層で活動しているのでやはりレベルの差も否めないところだが、中学生には無理やり難しいフレーズを叩かせず早いパッセージのところはダブルのところをシングルのみの演奏にするなどの配慮もされていた。細かいフレーズを何度も確認しながらの練習でピットパーカッションとバッテリーパーカッションの息の合ったアンサンブルが印象的だった。

最後にブラスセクションの練習を見せていただいた。あらかじめ別室でウォーミングアップをしてから練習に参加しているのでいきなり音を出しても乱れない、またしっかりとした音量が出ている点にも驚いた。中編成バンドとは思えない迫力あるサウンドであった。パーカッションセクション同様に曲を細かく区切って練習していくスタンスで、しっかりと曲を詰めている感じがした。

最後に合奏がおこなわれた。ここでも曲を細かく区切っていく方法がとられていたが、ここで驚いたのが先輩たちの指導である。3年生(定期演奏会をもって引退)が2、3人前に出て譜面を細かくチェック、曲が止められたときには名指しで悪いところを指摘するというスタイル。一人一人を細かく確認し、より完成された音楽に仕上げていっているのである。この点もさすがだと感心させられた。このあと曲を通して終了となった。

毎年ハイレベルなショーで観客を魅了する鎌倉女子大中高等部マーチングバンド。今年も目が離せないチームになることは間違いないだろう。

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