加藤学園高等学校吹奏楽部
Drum Corps Fun vol.3(2008年3月25日発行)に掲載
加藤学園高等学校吹奏楽部ブルーウィングスは、1980年に現顧問の前田先生により創部された。翌年には吹奏楽コンクールに出場し、1982年には第1回の定期演奏会を沼津市民文化センターにて開催する。この時よりステージドリルを取り入れマーチング活動を始める。その後吹奏楽コンクール中心の活動を続けてきたが、より活動の幅を広げようと1988年マーチングバンド・バトントワリング大会に初出場する。県大会では金賞を受賞し中部大会(今は東海大会)の出場権を獲得した。中部大会では銀賞を受賞し、翌年から全国大会を目指しマーチングバンド・バトントワリング大会に参加するようになる。
1991年には静岡県代表として全国高等学校総合文化祭、香川大会に出場。翌年には日本のバンドとして初めてアメリカのポートランドで行われているローズパレードに厳しい選考を経て出場する。8キロの沿道を埋めつくす約100万人の観客の前を2時間半にわたるパレードを行った。同時に行われたバンドフェスティバルではディビジョンⅡに出場し第二位になり多くの自信を得た。その年に夢にまで見たマーチングバンド・バトントワリング全国大会へ初出場し銀賞を受賞する。
アメリカ遠征を機に、当時の青いユニホームが世界に羽ばたけるようにとの思いを込めて「ブルーウィングス」のバンド名を付けた。その後6年連続で全国大会へ出場し部員数も毎年のように増えていき、1994年には114名を数えるまでになった。その後顧問が変わるなど色々な事情で、2001年に全国大会に出場してから東海大会であと一歩のところで全国大会への切符を逃しているが、前田先生が顧問に復帰して以前のような活気を取り戻しつつある。マーチングバンド・バトントワリング全国大会以外にも、全国高等学校総合文化祭北海道大会、静岡大会、神奈川大会出場。東京ディズニーランドのミュージックフェスティバルプログラムに4回出場など多方面で活躍している。
部活動の目標の一つとして「吹奏楽とマーチングの両立」があげられる。吹奏楽で楽器の基本的な奏法、音程やバランスの取り方を身につけ、マーチングで部員の意志統一・多彩な音楽表現を目指している。吹奏楽コンクールへの出場とマーチングの大会の練習が重なり大変な事は多いが、静岡県東部というマーチング不毛の地から6年連続して全国大会に出場出来たことは両立の目標の成果なのではないだろうか。
卒業後もマーチング活動を続ける部員が多く、静岡県内や神奈川県のチームなどで活動している。海外に行きマーチング活動を続け、帰国後指導者として活躍しているOBもいる。
練習の悩みは、学校のグランドは運動部が使用しているため、大会前になると運動部の練習が終わった後、暗くなるまでの短い時間で練習をしたり、夜間練習として19時から21時まで体育館で練習をしたり、近隣の市町村の体育館をお借りしての移動練習が多く、なかなかドリルの練習時間が確保できないことである。練習場所への移動や会場の押さえなど、父母会の協力が大きな助けとなっている。
現在、部員一同「金賞の演奏は金賞の練習から」を合言葉に一分一秒を無駄にしない練習を心掛けている。また、学校は修業の場と心得、校門での礼を励行している。道のりは険しいが、またいつか「ブルーウィングス」の名前を全国大会で呼ばれるように努力していきたい。