天理教校学園高等学校 マーチングバンド部
Drum Corps Fun vol.2(2007年4月11日発行)に掲載
昭和55年の全国大会で初出場ながらも最優秀賞グランプリを獲得。以来、28年連続出場し、今年度は8年ぶりのグランプリ獲得、マーチング王者復活である。しかも、新入生入部の90%が初心者で、初心者が集まったバンドとは思えない輝かしい成績である。今回、天理教校学園高等学校マーチングバンド部の強さを探るべく、練習を取材した。
創部は昭和51年3月、今年で31年目を迎えた。今年度のグランプリを含めグランプリ12回、金賞9回、銀賞3回、2年連続グランプリによる特別出演4回の栄誉に輝いている。また、北海道から沖縄までの日本各地での公演に加え、アメリカ・メキシコ・台湾・韓国での演奏活動をしている。今年度、韓国で行われた「2006年マーチング世界大会」に出場、世界第2位に輝いた。また、同大会のパレードコンテストでは見事1位に輝き「韓国」でも天理教校学園高等学校の名を広めた。
天理教校学園高等学校マーチングバンド部の岩佐元明先生に話を伺った。
はじめに今年のショーについて聞いてみた。
「『心を合わせて、見て頂いている方に喜んでもらうショーをする』ということが創部当初からのモットーですが、今年度は特にショーのテーマタイトルにもなっている『ワン ハンド ワン ハート』を合言葉に、みんなで心(気持ち)を一つにするという原点に戻ることを心がけながら、日々の練習に取り組みました。」
マーチングバンド部について聞いてみた。
「学校全体もそうですが、マーチングバンド部にも、全国から生徒が集まってきています。全寮制ですので、寮生活をしながらクラブ活動をしています。よく、全寮制だからいいねって言われたりしますが、寮の門限があるので普段は18時半までしか練習できません。あと、このバンドの大きな特徴でもあると思いますが、中学生の時は吹奏楽部以外の部活に所属していたり、うちのバンドは金管・パーカッション・ガードの編成ですので、吹奏楽部であっても木管だったりとかで、新入部員の90%が初心者です。1学期には基礎を教えていますが、2学期からはコンテストも始まりますから、結構やらないといけないことに追われている感じですね(笑)こんなに初心者ばかりのバンドも珍しいんじゃないですかね(笑)素人軍団で頑張っております。そして、スタッフは僕も含めて全員OBで指導にあたっています。」
一年間の行事について聞いてみた。
「定期的なものは天理教の行事など天理市内でのものが多いです。4月には天理教の行事で、天理市民会館でステージドリルをします。毎年夏7月26日~8月4日には、[こどもおちばがえり]という大きな天理教の行事があり、そこでは、1日3回公演でコンテスト用のショーをします。コンテストでショーをしたのと合わせるとちょうど全国大会が40回目だったんです(笑)」
次に練習を見学させて頂いた。この日はとても風が冷たく寒い日だったが、寒さに負けず気合の入った大きな声が飛び交っていた。スタッフだけでなく、生徒同士で、注意しあい、ドリルがクリーニングされていった。「こんなのグランプリとったような団体じゃないぞ」というスタッフの声に負けじと食らいついていくメンバーの眼差しに、とても強いものを感じた一日だった。来年度も天理教校学園高等学校マーチングバンド部は目が離せない。新たなショーが楽しみである。