沖縄県石垣市立平真小学校 マーチングバンドレインボー

Drum Corps Fun vol.2(2007年4月11日発行)に掲載

平真小学校マーチングバンドレインボーは、1990年に学校創立百周年の記念事業として楽器が贈呈され結成。「平真小学校の子どもたちが七色の虹のように輝き、羽ばたいていってほしい」という願いを込めて「レインボー」と名付けられ、今年で17年目を迎えた。

これまで、マーチングインオキナワ大会では金賞連続9回受賞、全国大会では結成10年目の1999年にマーチングフェスティバル全国神戸大会「金賞」「グッドサウンド賞」受賞、2000年マーチングバンド・バトントワリング全国大会「金賞」で最高得点を獲得し、以来8回連続で全国大会に出場という輝かしい実績を残している。

マーチングは教育課程のクラブ活動に位置づけ活動をしており、小学校1年生から6年生までの音楽大好きな子供たちが元気よく活動している。練習では先輩が後輩の面倒をみるという指導もされており、先輩は「頼もしい先輩」になるように日々努力しているようだ。また結成以来、放課後はもちろん、スタッフが来る土日も練習に励んでおり、毎日のミーティングでは「今日頑張ったこと」や「次に頑張りたいこと」などを発表し、常に目標を持ちながら自分自身で自分の伸び(成長)を確認する指導を行っているという。

顧問の小浜まゆみ教諭にお話を聞いてみた。「バンドを支える父母会や先生方、地域の皆さんなど、たくさんの方々に支えられて今があることは生徒たちにいつも伝え、「感謝の心」を育てるように心がけています。」学校行事を中心として、地域行事や各種イベントにも「感謝の心」を積極的に活動しているようだ。

また、離島ならではの苦労話を同じく顧問の花城昌己教諭に聞いてみると...「全国大会に出場できることは大変嬉しいのですが、その反面、離島のハンデは想像以上に厳しいものがあります。派遣費用はほとんど自己負担なので、毎回出場を危ぶむ子どもが出てきます。『全員出場』をめあてにしているので、何とか説得していろいろな手段を考えて頑張って乗り越えてきました。」スタッフも全員ボランティアで活動をしているとお聞きして、本当に「マーチング大好き、平真小が大好き!」な方々が集まっているのだと感じた。そんな中、2005年には第14回音楽教育振興賞助成部門(主催:毎日新聞社・財団法人音楽教育振興財団)を受賞、念願の楽器購入も出来た。

数々の苦労を乗り越えたからこそ、毎年ドラマがあるという。詳しく聞いてみると...「生徒の祖母が千羽鶴を織ってくれたり、全国大会でここ数年お世話になっている「横須賀北体育館」の職員の皆さんからも温かい手作りの「ぼんぼり」を子どもたち全員に頂いたりしました。何ヶ月もかけて一つ一つ準備して下さった心が本当に嬉しく感動の涙を流しました。また、昨年の卒業生もメンバー全員にメッセージを書いたものを大会当日にプレゼント。本当に驚きました。」

今年は新しいチャレンジにも挑み、「ディズニーランド・ミュージック・フェスティバル・プログラム」に応募。ビデオオーディションに見事合格。全国大会の翌日にはディズニーランドの中でパレードや演奏演技を行い、たくさんのお客様の前での本番は生徒たちも大きな思い出になったという。
日本の南、沖縄本島よりさらに南西に約400㎞海を隔てた石垣島では、2月中旬も過ぎると桜も咲き終わり、校庭の花々が咲き誇る。その中で活動する小さな南の島の子どもたちの夢は大きく,常に全国大会を目指している。離島のハンデを乗り越え、また今年も熱い平真小学校のサウンドを楽しみにしたい。

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