横浜市立平安小学校 マーチングバンド
Drum Corps Fun vol.5(2010年4月30日発行)に掲載
バンドのアピールポイントは?
子ども達曰く、「仲が良い事」だそうです。確かに指導している側からみても本当に仲が良いんだなと思います。練習以外でも、同じパートのメンバー同士で集まって遊んだり、パートをこえて声をかけ合ったりしている所を見かけますし、メンバー間のつながりは深いと思います。
また、放課後の練習は基本的に自主練なので、6年生やパートリーダーを中心に子ども達で練習を作っています。集団で一つの練習を作りあげるのはとても大変な作業ですが、仲間内の信頼や思いやりが必ずプラスに働いていると思います。
マーチングを通して子ども達に感じてもらいたい事、身に付けてもらいたい事は?
「自主・自立」です。自分たちの演奏演技をより良いものにしていきたい。もっと上手になりたい。そう考えた時に、「自分はどうしてここが出来ないんだろう?」「どうやったらもっと上手くいく?」そうやって自分と向き合い、深く考えないと上手にはなれません。長い間試行錯誤して、「あっ!今上手くいった!」その瞬間の嬉しさと達成感を一回でも多く経験して自分に活かしていってほしいです。
また、活動していく中で意見が合わないときもあります。けれどみんなで話し合ってなんとか解決させました。そういう経験もこれから生きていく上でとても重要な「力」になってくると思います。
また、こういう集団活動の中では一人一人が意識すべき事がたくさんあると思います。人間として基本的なところですが、「時間を守る」「あいさつをする」他にも先輩や後輩、先生、保護者の方々、コーチ、それぞれに対する接し方や話し方も考えなければいけません。子ども達にしてみれば面倒で些細な事だと感じるかもしれませんが、どれが欠けてもこの活動は成立していきません。マーチングをやる上でまず最初に意識してもらいたい部分ですね。その上で今度は、自分たちでshowを作っていってここまで良いものにすることができた。そういう「自信」を持ってもらいたいです。
まとめて言うと・・・「生きる力」です。小学生のうちにそれをものに出来るとは思いません。しかし、この活動を通してその手がかりになるものを掴んでもらえれば、「あの時マーチングやっていて良かったな。」そう思える日が来ると思います。
年間を通してどのような活動をしていますか?
基本的には、火曜日から金曜日まで週4日間の朝練習と、月曜日、水曜日に放課後練習、そして隔週土曜日に一日練習をやっています。本番は、コンテストの他にも地域のパレードや運動会への参加、近隣の中学校マーチングバンド部の定期演奏会へのゲスト出演もしています。
シーズン中に苦労することは?
苦労することというと色々あるのですが、その中でも3月から5月にかけてメンバーが入れ替わる時期は特に大変です。今までバンドの支えであった6年生が卒業してしまう事もありますし、なによりも、新しくマーチングの世界に入ってきてまだ何も知らない子どもたちに音楽の事を一から教えることになるからです。何か新しい事を始める際にはやはり第一印象が重要です。楽器をやっていく上でいちばん最初に身に付けた事は後の数年、それ以降の上達のカギになってくると思います。そういった意味でとても大切にしています。子ども達も、新しく先輩になって教える事に戸惑いを感じたり、パートが変わってまた一から始めなければいけなかったり、色々な苦労がある中頑張っています。シーズンはじめのこの期間に良い状態を作れると幸先の良いスタートが切れるので、これは毎年の課題ですね。
コスチュームやカラーへのこだわりは?
今現在使用しているコスチュームは2003年から使用していて、今年で8年目になります。2003年以前は十数年間ずっと青色のコスチュームを使用していました。青色のコスチュームは当時「シンプル」を追求して子どもらしさを引き出そうというねらいがありました。さらに飾りなどは保護者の方による手作りでした。その青色のコスチュームの期間がとても長かったので、次第に平安小マーチングバンドのイメージカラーとして「ブルー」が定着していきました。今のコスチュームは水色と紺色を基調にしているのですが、これもコスチュームチェンジの際に、平安のイメージカラーを活かそうという事で、ブルー系をそのまま引き継ぎました。デザインも、平安小がだんだんと大人びたshowに挑戦するようになってきたという事で、今までの「シンプル」に加えて大人っぽい「スマートさ」も意識しました。具体的には、コスチュームの真ん中を斜めに通るラインをカーブではなく直線にし、出来るだけ細身の設計と紺色のズボンで体が引き締まって見えるようにもしています。また、費用の軽減も考え、すぐいたんでしまうスパンコールなどの使用はなるべく抑えて、コスチューム自体が長持ちして何年間も継続して使用できるように工夫しています。
当時、地域の皆様からの多大な援助を受け、デザインにもとても気をつかってやっとの事で完成したコスチュームが届いた時は、感動もひとしおでした。子ども達からも「カッコいい!」「早く着てshowをしてみたい!」という声が上がっていました。
ちょうど同じ時期にバッテリーの楽器のカラーもそれまで使用していた「ホワイト」から「グリーン」にチェンジしました。理由としては、「ホワイト」の色が長年の使用によって変色してきていた事と、やはり新しいコスチュームに一番合う楽器の色を考え、イメージカラーである「ブルー」がよく映える「グリーン」にチェンジしました。こういったコスチュームなどのチェンジは地域や保護者の皆さんのご支援ご協力があってはじめて可能になることなので、本当に感謝しています。保護者の皆様にはこの他にも活動の手助けをしてもらい、色々な面でご協力をいただいています。その度に「この活動はたくさんの方の協力なしでは成り立っていかない。」と感じています。主役になるのは子ども達ですが、その子ども達に、皆さんへの感謝を常に感じてもらいたいですね。
今年卒業した皆さん、バンドが今後どうなっていってほしいか、メンバーへメッセージをどうぞ。
「再び全国大会へ出場できるような強いバンドにしていって下さい」(Brass OB)
「これからも楽しくて、見ていてくれる人が笑顔になってくれるようなバンドにしていって下さい。」(副部長Pit OG)
「自分たちで何でも出来る。自分たち中心で活動できる。そういうバンドにしていってほしい。」(部長 Brass OB)
「練習中にダラダラしない。年上の人や先生を頼り過ぎずに自分たちで何でもやっていけるようになってほしい。」(Battery OG)