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2007 DCI World Championship

DCI 2007 ディビジョン Iファイナル

「ブルーデビルス、結成50周年を優勝で飾る」
by マイク・フェルラッゾ(DCWスタッフ)

2007年8月11日、カリフォルニア州パサディナのローズボウルスタジアムで行われた今年のDCIディビジョンIファイナルは、優勝を飾ったブルーデビルスにとってはこの一言に尽きる結果であった…“パーフェクト!”。

通算12回というDCI最多優勝記録を誇る彼らにとって、“ウイングド・ビクトリー”という今年のショータイトルはまさにパーフェクトなテーマであり、そのパフォーマンスもまたパーフェクトだった。

そして彼らが手にしたチャンピオントロフィーは、コー結成50周年という輝かしい節年を迎えたブルーデビルスと、駆けつけたOBたちにとってもまさにパーフェクトな贈り物となった。また、それは2人の兄弟ベースドラマーが彼らの祖父母、ブルーデビルズの創設者アン・オデッロとトニー・オデッロを称えるのにもパーフェクトな結果であった。

ブルーの勝利は、24,000人を越える観衆の多くにとってもまた最高の結果となった。なぜなら、地元のコーが2003年以来の優勝を果たすために、多くの観衆がカリフォルニアコーを応援していたからである。

「この感動は言葉にできないよ。」ブルー・デビルスのディレクター、デイビッド・ギブスは熱くそう語った。「本当に驚くべき、特別なことなんだ。ただ単に勝ったということではなく、30年もの間、毎年地元を離れてチャンピオンシップを戦ってきて、今年が初めての地元カリフォルニア開催。そこで初めてたくさんの地元ファンを前にして優勝できたんだからね。」「ファンも存分に我々を味わってくれただろうし、自分たちも彼らのためにショーを演じたんだ。この強い絆は今までに味わったことの無い感覚だったよ。」

「まったく信じられないし、現実とは思えない!」ベースドラム3番のリッキー・オデッロは興奮してそう話した。彼と、同じくベースドラム4番を担当する弟のアンドリューは、ブルーの創始者であるオデッロ夫妻の孫なのである。「僕はブルー・デビルスに3歳の時から入っている(訳者注:ブルー・デビルスにはBコー、Cコーなどいくつかの下部組織がある)んだけど、今年でエイジアウト(年齢制限による引退)をするんだ。その最後の年に地元西海岸のファンの前で、しかも家のすぐ近くで優勝を経験できたなんて最高だよ!」

今年のブルーはGEミュージックとビジュアルアンサンブルで1位を獲得、さらにミュージックキャプションでは1位を総なめにしてジム・オット・ベストブラス賞、フレッド・サンフォード・ベストパーカッション賞の両方を獲得した。前日のセミファイナルで僅か0.5ポイントしか無かった2位キャデッツとの差を1点近くにまで広げるのに十分な成果であったと言える。

キャデッツはドン・アンジェリカ・ベストGE賞を獲得したものの、記念すべき通算10回目の優勝とはならなかった。キャバリアーズもまた優勝を逃したが、2000年代に入ってから優勝できなかったのは僅かに3回だけだ。今年はカラーガードが圧倒的な強さでジョージ・ジンガリ・ベストカラーガード賞を獲得したが、総合3位に終わった。

ファントムレジメントは3週間前のサンアントニオでのショーでは6位であったが、彼らのショー“On Air”の名のごとくファイナルでは4位にまで飛躍してみせた。だが今年のチャンピオンシップウィークで最も飛躍を果たしたのはサンタクララバンガードだ。彼らはついに“ユーレカ”な瞬間をジャッジたちと共に探り当て、クォーターファイナルの7位から一気に5位にまで上り詰めたのである。(訳者注:ユーレカとは、アルキメデスが浮力の原理を発見した際に叫んだと言われる“分かった!発見した!”という意味のギリシャ語で、カリフォルニア州のモットーでもある。今年のサンタクララのショータイトル、“!”は、ユーレカ!と発音する。)

キャロライナ・クラウンはサンタクララの躍進によってまさに鼻の差、0.25ポイント差で彼らとのレースに敗れたが、それでもクラウンにとっては初となるトップ6入りを見事に果たした。さらに、最もエンターテイメント性に優れたコーに贈られるスピリット・オブ・ディズニー賞を獲得、ディレクターのケビン・スミス氏はディレクター・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。

また、今年のシンデレラコーとも言えるクラウンは、昨年のシンデレラコー、ブルーコーツを7位にまで蹴落としてしまった。ブルーコーツはチャンピオンシップウィークの間に2つも順位を落とし、昨年からは3つも順位を落としたことになる。僅か0.1ポイント差とはいえ彼らがトップ6入りを逃したのは2003年以来だ。「今年は信じられないくらい本当に厳しい戦いだった。そしてそれは今目の前にいる彼らがすべて素晴らしく優秀なコーだという何よりの証拠なんだ。」ブルコーツのディレクター、デイビッド・グラスゴー氏はそう語った。

近年そのブランドイメージが定着したブルーコーツのように、ブルー・ナイツもまた彼らのそのダークで深みのあるイメージを踏襲した。彼ららしさを失わず90点台をキープし、8位を守り抜いた。ボストン・クルセイダーズはピカソを題材としたショーを見事に書き上げ9位につけた。

コルツは2001年以来のファイナル出場を果たしたばかりでなく、そのファイナルではグラスメンのジプシーバンドを抜き去り10位でフィニッシュ。久しぶりにファイナルナイトのまばゆい光りの中で花を咲かせた。スピリット・フロム・JSUは順位とメンバーのモチベーションを上げるため新しい楽器、新しいユニフォームで挑んだが、結果は同じで三年連続の12位に終わった。

「ニューチャンピオンはブルーデビルス、それも彼らの地元カリフォルニアで優勝をものにしたんだ。彼らの結成50周年記念シーズンに錦上花を添える形になったことはもちろん間違いない。ただ、そればかりがクローズアップされるけど彼ら自身のパフォーマンスはどうだった?」DCIエクスクルーシブディレクターのダン・アチェソン氏はそう投げかけた。「彼らのショーは本当に素晴らしかった。この初めての開催地、美しいカリフォルニアのようにね。そして私の立場でもう一つ特筆すべきは、1990年以来最大規模となった今夜の観客動員数だ。興業としても最高のチャンピオンシップになったよ。」

1位 Bule Devils ブルー・デビルス
“ウイングド・ビクトリー”

Blue Devils / photo by Francesca DeMello

これ以上にブルー・デビルスのアイデンティティーを捉えたショーは過去にもない。ショータイトルの“Winged Victory”は、実際にはルーブル美術館貯蔵の有名なギリシャ彫刻(日本では“サモトラケのニケ像”と呼ばれる。)にちなんで命名されたものであり、決して今シーズンの結果に自信を持って付けられたわけではない。だが結果はまさに“Victory”で、自信に満ちたパワーと巨大なシルクのウイングがこのショーを暗闇から光りへと導いた。ほんの4日前にはブルーの地元カリフォルニアでキャデッツに負けるという、敗北と隣り合わせの状況にいたにも関わらず、ファイナルウィークでは見事に3連勝を飾ったのである。

「過去に何度か(レパートリーの)復活はあったんだけど、今回のはそれとは違い、メンバーたちがやりたがったんだ。」ディレクターのデイビッド・ギブス氏はそう明かした。「彼らが自分の背中を押し続けたんだよ。こんなことは初めてだし、何か特別な感じがするね。」

今年のショーは過去のプログラムを一つの絵巻物にしたかのようなデザインで、まるで最初から勝つことを運命づけられているかのように思えた。Wing(翼)をイメージさせる往年の名曲“ペガサス”と共に始められる、究極のハイライトシーンによるコンピレーションがコーの50周年を称えた。ショーは過去の名シーンをよりクリアに洗練させたものになっている。そう、BDクラシックはいつもクリーンでなければいけないのだ。シーズンの終わりにはそれらすべてがチャンピオンシップクォリティにまで高まり、彼らに幸運をもたらしたのである。

「一年中このプレッシャーを感じ続けていたよ。“勝たなきゃ、勝たなきゃ”、“結成50周年だ”、“初の西海岸だ”、“地元カリフォルニア開催だ”ってね。そしてすべてが一つになってうまくいったよ。」エイジアウトを迎えるこの最後のシーズンを、ブルー・デビルス創始者である祖父母に捧げたリッキー・オデッロはそう振り返った。

2位 The Cadets キャデッツ
“ディス・アイ・ビリーブ”

Cadets / photo by Pat Chagnon

3位 The Cavaliers キャバリアーズキャバリアーズ
“アンド・ソー・イット・ゴーズ”

The Cavaliers / photo by Harrt Heidelmark

4位 Phantom Regiment ファントム・レジメント
“オン・エアー”

Phantom Regiment / photo by Pat Chagnon

5位 Santa Clara Vanguard サンタクララ・バンガード
-“!”(ユーレカ)

Santa Clara Vanguard / photo by Francesca DeMello

6位 Carolina Crown キャロライナ・クラウン
“トリプル・クラウン”

Carolina Crown / photo by Harrt Heidelmark

7位 Bluecoats ブルーコーツ
“クリミナル(犯罪者)”

Bluecoats / photo by Harrt Heidelmark

8位 Blue Knights ブルー・ナイツ
“ダーク・ダンス”

Blue Knights / photo by Harrt Heidelmark


Blue Knights / photo by Patrick O’Toole

9位 Boston Crusaders ボストン・クルセイダーズ
“ピカソ・スイート”

Boston Crusaders / photo by Harrt Heidelmark

10位 Colts コルツ
“エキノックス(秋分・春分)”

Colts / photo by HHeidelmark

その他出場団体

Glassmen / photo by Harrt Heidelmark


Troopers / photo by Harrt Heidelmark


Yokohama Scouts / photo by Francesca DeMello

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